イギリスのインディーパブリッシャー Eerie Idol Games から発表され、Kickstarterなどのクラウドファンディングで大きな話題を呼んだボードゲーム『The Old King’s Crown (オールド・キングス・クラウン)』。
美麗で独特なアートワークと、崩壊した王国を舞台にした奥深い世界観に惹かれて購入した(あるいは購入を検討している)方も多いのではないでしょうか?
しかし、本作は現時点で日本語版が発売されておらず、言語依存も高いため、「英語のルールブックを読むのが大変」「正しいルールや細かい効果の処理がわからない」と悩んでいる方も少なくないはずです。
そこで本記事では、『The Old King’s Crown』の日本語ルールを徹底解説します。英語のルールドキュメントを読み解き、独自の用語やシステムをわかりやすく翻訳してまとめました。
この記事は、本作の遊び方を知るための「総合ガイド」となっています。ゲームの概要や基本ルールは本記事で確認し、より詳細な手順やカードの見方については全4回に分けて記事にしてありますので、目的の記事へ進んでください。
※本記事(および各詳細記事)は、以下の公式英語版ルールブック(PDF)を独自に翻訳・要約して作成しています。
The Old King’s Crown 公式ルールブック(英語版PDF)
『The Old King’s Crown (オールド・キングス・クラウン)』とは?

崩壊した王国と王冠を巡る、知略と勢力の争い
『The Old King’s Crown』は、かつての栄光を失い、荒廃した王国を舞台にした勢力争いのゲームです。プレイヤーはそれぞれ異なる背景を持つ「勢力(ファクション)」のリーダーとなり、空座となった王位――「古き王の冠」を手に入れるため、軍事、策略、そして古の魔法を駆使して戦います。
日本語版未発売の注目作を「日本語」で徹底解説
本作は、その圧倒的に美しく、どこか退廃的なアートワークで世界中のボードゲーマーの目を釘付けにしました。現在は英語版のみの展開となっており、カード1枚1枚にフレーバーテキストや効果説明が記されているため、プレイには相応の読解力が必要です。本ガイドでは、そんなハードルを少しでも下げるべく、重要な要素を日本語でわかりやすく解説していきます。
独自の「入札」システムと濃密な心理戦の魅力
このゲームの最大の特徴は、カードを裏向きで配置する「入札(Bidding)」システムにあります。相手がどの地域を狙っているのか、どのカードで対抗してくるのか……。カードを公開した瞬間にドラマが生まれる、濃密な心理戦と戦略性が融合したゲーム体験が楽しめます。
基本情報:スペックと英語の依存度
プレイ人数・プレイ時間・対象年齢
- プレイ人数: 1〜4人(ソロモード搭載)
- プレイ時間: 45〜90分
- 対象年齢: 14歳以上
プレイに必要な英語力と「ルール翻訳」の重要性
『オールド・キングス・クラウン』は、カードテキストによる効果解決が頻繁に行われる「言語依存度:高」のゲームです。基本的なルールの流れ自体は非常に洗練されていますが、各勢力固有のカード能力や、ランダムに登場する王国カードの効果を正しく理解することが勝利に直結します。 そのため、スムーズなゲーム進行には、主要な単語や効果の翻訳リストを手元に置いておくのがベストです。
勝利条件:王位を継承するための「ルール」
王位を継承し、ゲームの勝者となるには主に以下の条件を目指します。
「影響力(Influence)」を積み上げ、民衆の支持を得る
ゲームのメインとなる勝利条件は、誰よりも多くの「影響力(Influence)」トークンを獲得することです。
- カードの効果や戦闘の勝利によって「影響力」を獲得します。
- 最終ラウンド終了時、最も多くの影響力を持っているプレイヤーが王冠を手にします。
「力の拠点(Sites of Power)」を掌握し、王国を支配する
単なる数稼ぎだけでなく、マップ上の特定の地域――「力の拠点(Sites of Power)」を支配することも重要です。 拠点を支配することで強力なボーナスが得られるだけでなく、ゲーム終了時の影響力計算において大きなアドバンテージとなります。知略によって相手を出し抜き、王国の要所をいかに抑えるかが勝利の分かれ道となります。
ゲームの全体的な流れ(サマリー)
『The Old King’s Crown』のゲーム進行は、1ラウンドを「1年」とし、各ラウンドが4つの「四季(フェイズ)」に分かれています。この四季を繰り返すことでゲームが進行します。

1年を構成する「四季(フェイズ)」の移ろい
- 春(Spring): 準備の季節です。プレイヤーはカードを引き、手札を整え、各勢力の特有のアクションや準備を行います。
- 夏(Summer): このゲームで最も重要な「入札(配置)」の季節です。マップ上の各地域に対して、手札からカードを配置していきます。
- 秋(Autumn): 「戦闘(衝突)」の季節です。夏に配置したカードを公開し、各地域での勝者を決め、影響力やボーナスを獲得します。
- 冬(Winter): クリーンアップ(片付け)の季節です。盤面の整理やラウンドの終了処理を行い、次の年へと進みます。
カードを裏向きで配置する「入札」と「公開」の駆け引き
夏のフェイズでは、カードを裏向きでマップ上の各地域に配置します(これが「入札」と呼ばれます)。どの地域に、どれだけ強力なカードを伏せているのか、他プレイヤーには分かりません。 そして秋のフェイズで一斉にカードを公開し、その地域での力(Power)を競い合います。ブラフ(ハッタリ)を仕掛けるか、本命の地域に全力を注ぐか。この心理戦こそが『オールド・キングス・クラウン』最大の醍醐味です。
より詳しい各フェイズの手順については、【第3回】実践編:各フェイズの進行と戦闘(衝突)の解決手順をご覧ください。
【目的別】詳細ルール解説記事一覧
『The Old King’s Crown』のルールは奥深く、一度にすべてを把握するのは大変です。そこで、初めてプレイする方が段階的に無理なく理解できるよう、4つの個別記事に分けて徹底解説しています。
あなたの状況や知りたい目的に合わせて、以下の各解説ページをご活用ください。(※これから初めて遊ぶ方は、第1回から順番に読んでいただくのがおすすめです)
🎲 ゲームを始める前の準備をしたい方へ(第1回)
【この記事でわかること:内容物の確認、ボードの配置、各勢力の特徴と選び方】 箱を開けて最初に読むべき記事です。美麗なマップボードやカード類の配置方法から、各プレイヤーの初期デッキの作り方まで、ゲームをテーブルにセットアップする手順を分かりやすく解説しています。 また、「貴族(The Nobility)」や「氏族(The Clans)」など4つの異なる勢力の特徴と、初心者におすすめの選び方も紹介しているため、プレイ前の迷いをなくすことができます。
▶ 【第1回】準備編:セットアップとコンポーネントの紹介 を読む
💡 独自のシステムと英語カードの読み方を理解したい方へ(第2回)
【この記事でわかること:「影響力」と「力」の違い、力の拠点、カードアイコンの意味】 ゲームの「心臓部」となる基本コンセプトを解説する記事です。勝敗を決める「影響力(Influence)」と、通貨として使う「力(Power)」の明確な違いや、強力なカードを獲得できる「力の拠点(Sites of Power)」の仕組みを整理します。 また、言語依存の高い勢力カードの構造や、デッキを強化するアドバンスドカード・HQカードの役割についても詳しく翻訳・解説しているため、英語への苦手意識がグッと下がります。
▶ 【第2回】システム編:カードの見方と重要コンセプトの「翻訳」 を読む
⚔️ ターンの流れと熱い「戦闘」の処理を知りたい方へ(第3回)
【この記事でわかること:春〜冬のフェイズ進行、裏向きの入札、戦闘の計算と特殊処理】 実際のゲーム進行(1年の流れ)をステップバイステップで解説する、最も重要な実践向けの記事です。 手札のドローから始まり、本作最大の魅力である「裏向きでのカード配置(入札)」による心理戦、そして秋に一斉公開される「戦闘(Clash)」の詳しい解決手順まで、盤面で起こるドラマのすべてを網羅しています。奇襲(Ambush)や撤退(Retreat)などの処理タイミングもここでバッチリ分かります。
▶ 【第3回】実践編:各フェイズの進行と戦闘(衝突)の解決手順 を読む
📖 プレイ中の「辞書」やソロモードのルールが欲しい方へ(第4回)
【この記事でわかること:頻出キーワードの和訳リスト、ルールの裁定、1人プレイの遊び方】 実際にプレイを始めてから一番お世話になる「資料用」の記事です。カードテキストに登場する特有の英単語やコマンドの翻訳リストをまとめているため、プレイ中にスマートフォンでサッと引く辞書として手元に置いておけます。 また、同時処理の優先順位といったよくあるルールの疑問や、オートマ(AI)と戦う大人気のソロモード(1人プレイ)の専用ルールについても解説しています。
▶ 【第4回】資料編:キーワード解説・ソロモード・FAQ を読む
日本での購入・入手方法ガイド

現在、『The Old King’s Crown』の公式な日本語版は発売されていません。では、日本のプレイヤーはどうやって入手すればよいのでしょうか。
Kickstarter/Gamefoundなどのクラウドファンディング状況
本作は主に海外のクラウドファンディングサイト(Kickstarterなど)で資金調達が行われ、製品化されました。クラウドファンディングのプレッジ(支援)期間やレイトプレッジ(追加受付)を利用して入手するのが最も確実な方法でしたが、現在はキャンペーンが終了している場合があります。再販や拡張セットのキャンペーンが実施されることもあるため、クリエイター(Eerie Idol Games)の公式情報をチェックしておくことをおすすめします。
日本のボードゲームショップでの取り扱いについて
日本の輸入ボードゲーム専門店(オンラインショップや実店舗)で、キックスターター版の流通分が少数入荷することがあります。ただし、言語依存が高くニッチなタイトルであるため、入荷数は限られがちです。見つけたら早めに確保するか、ショップに入荷予定を問い合わせてみるのがよいでしょう。
よくある質問(FAQ):ルールに迷ったら

複雑な裁定や「日本語訳」の補足
Q1:ゲームの最終的な勝利条件は何ですか?
- A: 全5ラウンド(5年)が終了した時点で、最も多くの「影響力(Influence / i)」トークンを持っているプレイヤーが勝者となります。
- 🔗 詳細はメイン記事の「勝利条件」をご覧ください。
Q2:「影響力(i)」と「力(p)」の違いが分かりません。
- A: 影響力(i)は「勝利点」であり、力(p)は上級カードを購入するための「リソース(通貨)」です。役割が全く異なるため注意しましょう。
- 🔗 詳細は【第2回】システム編の「影響力と力の違い」で解説しています。
Q3:初期デッキ以外の強力なカードはどうやって手に入れますか?
- A: マップ上の「力の拠点(Sites of Power)」を訪れ、蓄えた「力(p)」を支払うことでアドバンスドカードやHQカードを獲得できます。
- 🔗 詳細は【第2回】システム編の「アドバンスドカード」をご覧ください。
Q4:山札(デッキ)がなくなってしまったらどうなりますか?
- A: 捨て札をシャッフルして山札に戻しますが、ペナルティとしてそのプレイヤーの「手札上限(Hand Size)」が1枚減ってしまいます。
- 🔗 詳細は【第3回】実践編の「春:デッキ切れのペナルティ」を参照してください。
Q5:カードを配置する時は、相手に中身を見せなければなりませんか?
- A: いいえ。夏のフェイズで行うカード配置は「裏向き」で行います。これが本作の心理戦の核となります。
- 🔗 詳細は【第3回】実践編の「夏:カードの裏向き配置」をご覧ください。
Q6:戦闘でカードが公開された後、さらに追加でカードを出せますか?
- A: はい。「奇襲(Ambush)」能力を持つカードなどを手札から出すことで、公開後でも戦力を増強することが可能です。
- 🔗 詳細は【第3回】実践編の「秋:カードの公開と計算ルール」に載っています。
Q7:カードに書かれている「Deadly」などの用語の効果が分かりません。
- A: 本作特有のキーワード能力については、翻訳リストを作成しています。プレイ中に辞書として活用してください。
- 🔗 詳細は【第4回】資料編の「キーワード翻訳辞書」にまとめてあります。
Q8:1人(ソロ)で遊ぶことはできますか?
- A: はい。オートマ(AI勢力)と対戦する専用のソロモードが搭載されています。
- 🔗 ルールは【第4回】資料編の「ソロモード解説」をご覧ください。
Q9:どの勢力(ファクション)を選べばいいか迷っています。
- A: 初めての方は、ルールが比較的シンプルな「貴族(The Nobility)」や「氏族(The Clans)」がおすすめです。
- 🔗 詳細は【第1回】準備編の「勢力の紹介と選び方」をご覧ください。
Q10:日本語版は発売されていますか?どこで購入できますか?
- A: 現在は英語版のみの展開です。Kickstarterのバック分や、一部の輸入ボードゲームショップでの取り扱いが中心となります。
- 🔗 詳細はメイン記事の「日本での購入・入手方法」を確認してください。
まとめ:『The Old King’s Crown』の王位を勝ち取るために
『The Old King’s Crown (オールド・キングス・クラウン)』は、独自のアートワークと、裏向きでの入札システムがもたらす濃密な心理戦が魅力の傑作ボードゲームです。
英語版のみというハードルはありますが、本記事や各詳細記事の日本語ルール・翻訳を活用することで、英語が苦手な方でも十分にその深い戦略性を楽しむことができます。
ぜひ本ガイドを片手に、崩壊した王国の次なる王となるべく、知略と勢力を尽くした争いに身を投じてみてください!
※本記事(および各詳細記事)は、以下の公式英語版ルールブック(PDF)を独自に翻訳・要約して作成しています。
The Old King’s Crown 公式ルールブック(英語版PDF)



